心理学講座 心理学を学びたい方へ・学習心理学
学習心理学
心理学の講座を受講するための基礎知識として、感覚・知覚・情動は生理的反応と密接な関係にあることがおわかりになっていると思います。しかし、学習というと、生理学とは関係の薄い、知的な働きを心理学の講座の受講生は連想するのではないでしょうか。しかし、次の有名な実験を知っておいてほしいのです。
ロシアの生理学者I・パブロフは、犬の消化腺機能について研究していたのですが、実験に使われていた犬が、しばらくすると餌を見ただけで唾液を出すようになったことに気がつきました。そこから彼は実験と観察を繰り返し、餌が口に入ったとき(無条件刺激)の唾液分泌は、犬が生まれながらに持っている反射なので、これを無条件反射と呼び、一方餌を見るだけで起こる唾液分泌は、犬が一定の条件(餌を知覚すること)と結びつけることによって獲得した反応であることから条件反射と呼びました。彼は、ベルの音など、そのほかいろいろな刺激が唾液分泌をうながす条件(これを条件刺激という)になりえることを発見したのです。
このように、無条件反射(唾液分泌)には無関係だった刺激(餌をみること、ベルの音)が、無条件刺激(餌を口の中で知覚すること)と結び付くことで、無条件反射と同じ反応(条件反応)を引き起こすようになることを【古典的条件付け】といいます。
心理学では一般的に学習を、経験の結果生じる、比較的永続的な行動の変化と定義するのですが、パブロフが生理学の実験中に偶然観察した事象より発見した、この古典的条件付けこそが、いろいろな学習研究の出発点になっていったのです。