心理学講座 心理学を学びたい方へ・戦後の日本の心理学
戦後の日本の心理学
心理学の方法には大きく分類すると【実験心理学的方法】と【臨床心理学的方法】の2つがあります。今一般の大学で心理学講座を専攻すると、卒業論文では実験とその結果の統計的な解析という手順を踏むことが求められることが多いのです。これはヴントからはじまる心理学、つまり実験心理学の伝統に基づくものなのです。
第二次大戦後、進駐されたわけですから、日本にはいろいろな面でアメリカの圧倒的な影響下におかれました。そして当然心理学も例外ではなかったのです。前に示したような、ワトソンなどの影響がはっきりでているのです。
今の日本の心理学講座で使われているような教科書は、心理学とは行動の科学であるという定義からはじまっているものが多く、これはそれが端的にあらわれたものになっているのです。ヴントの意識の心理学や、フロイトの無意識の心理学を否定する、アメリカの行動主義心理学の影響によるものなのです。
しかし、心の治療を目的とする臨床心理学においては、アメリカの影響下におかれたとしてもその実験心理学を否定し、東洋思想を基盤とする独自の心理学が発展する余地が残されました。やはり、日本はアメリカの占領下におかれたとはいえ、東洋です。禅の精神は日本にありますし、いわゆる【悟り】といわれる超越的体験が受け入れられた土壌だったこともあると思います。これを応用して、心の病に対応していくことが考えられたのは当然かもしれません。
ある意味ではマズローなどが唱えたトランスパーソナル心理学の先駆けともいえる展開が見られたのです。